短い答え
おやつを使わない遊びには、その子に合う遊び、おもちゃ探し、安全に匂いをかぐこと、よく知った人と過ごす時間、休むか探索するかを選ぶことが入ります。その子が自分から選ぶものを見てください。食事と水はいつもどおり用意し、暮らしに必要なものを、ごほうびを得た条件にしないでください。
おやつは、しつけやエンリッチメントの多くで役立ちますが、犬が大切にするものはそれだけではありません。好きなおもちゃを運ぶのが得意な子もいます。安全な新しい道を歩くこと、静かな遊びを一緒にすること、知っている人のそばで休むことを好む子もいます。おやつを使わない遊びは、どの子も好きだと思い込んだ代用品の一覧からではなく、そうした好みから始めます。
おやつを使わない選択肢がほしい理由はいろいろあります。予定していた練習分を使い切った、特定の部屋では汚れない活動がほしい、変化がほしい、といった場合です。病気、飲み込みにくさ、アレルギー、処方された食事が理由でおやつを避けるなら、動物病院の指示に従ってください。急に食欲がなくなったとき、おもちゃですべてを解決しようとしないでください。このガイドは、楽しい経験を足すためのもので、食事や医療の代わりではありません。

始める前に
- その子がすでに知っている、安全なおもちゃを1つか2つ
- 滑りにくく、安全な場所
- 一緒に座れる静かな場所
- 外で匂いをかぐためのリードと、体に合った道具
- 近づいたものと、離れたもののメモ
実践的な出発点
出す前に観察する
ふだん落ち着いている時間に、その子を見てください。物を持ってくる、よく知った人の方へ体を預ける、出入口を調べる、落ち着ける場所を選ぶ、といった様子はありますか。意味を決める前に、その行動を書き留めてください。1日だけでなく、繰り返して選ぶものを探します。ボールを一度無視したからといって、その遊びが嫌いとは限りません。疲れている、体が痛い、そのとき別のものがほしい、ということもあります。
簡単なやりとりをひとつ出す
よく知ったおもちゃを、近づきやすい高さに出して、その子が自分から来られるようにします。ふだん興味を示すなら、床の上をやさしく動かします。急な方向転換やジャンプは避けます。加わらなければ、短いあいだ待ってから誘うのをやめます。顔の前で振ったり、離れられないように押さえたりしないでください。断れる形で出すと、役立つ情報が得られます。
まだ心地よいうちに止める
短いやりとりのあと、動きを止めて、その子が続けるかどうかを見ます。おもちゃを戻す、近くにいる、離れる、どれもあり得ます。その反応に合わせてください。運ぶのが好きな子には、返すことより、持ったままにすることがごほうびになることがあります。安全な受け渡しがまだできていないなら、取り上げたり追いかけたりせず、合う計画ができるまで別の活動にしてください。
あとで別のエンリッチメントを試す
別の機会に、安全に匂いをかぐ散歩、目に見える場所でのおもちゃ探し、静かに一緒にいる時間を出します。経験の種類を変えると、どんな好みも、もっと激しい遊びが必要だ、と決めつけずに済みます。外では安全を保ち、人、車、ほかの動物のそばでの心地よさを尊重します。にぎやかな公園に入るより、静かな一角で匂いをかぐ方が合うことがあります。
うまくいった選択を残す
自分から近づいたか、体がゆるんで心地よさそうだったか、止められたか、そのあと元に戻れたかを書き留めます。人、場所、おもちゃ、動き、時間帯を比べます。安全に出せるものを2つか3つ残します。ほかの犬と順位をつけたり、おやつなしの活動が、おやつを隠したおもちゃと同じ行動を生むはずだと思ったりしないでください。
遊び方はひとつではない
おもちゃが好きな子は、くわえる、運ぶ、引っ張りっこ、探す、やさしく持ってくる、のどれかを楽しむことがあります。これらは別の活動です。おもちゃを持って離れても、別に教えた課題として戻すことが含まれていなければ、遊びに失敗したわけではありません。近くに座る、別の合うおもちゃを出す、安全な場所でその物を楽しませる、で構いません。傷みがないか確認し、壊れたものは、安全に外せるときに取り除きます。
引っ張りっこでは、合うおもちゃを選び、動きは低く、コントロールできる範囲にします。犬を持ち上げる、首をひねる、急に方向を変える、は避けます。歯が肌に当たる、どちらかが不快になる、遊びをやめにくい、なら止めてください。勢いになったおもちゃ遊びを、子どもに任せないでください。見栄えより、大人が見ていること、合う場所、やめやすい終わり方の方が大切です。
持って帰らなくていいおもちゃ探し
よく知ったおもちゃを、少し離れた場所に置くところを見せます。行って確かめられる余地を残します。拾ったら、その子が好きなやりとりをします。匂いをかいで立ち去るだけなら、今日はその遊びがおもしろくないのかもしれません。次はもっと分かりやすく出す、別のおもちゃを試す、はできます。反応を引き出そうと、どんどん見つけにくい場所に隠し続けないでください。
簡単な形ができたあとは、おもちゃには届きやすいまま、場所を1か所だけ変えます。家具のすき間、かばん、洗濯物、壊したり飲み込んだりしそうなものは避けます。不安定なものに登らせる探し方にはしません。狭い部屋でも、飛び越える、ベッドの下にもぐる、クッションをほどく、を求めずに、安全な探し場所をいくつか作れます。

匂いをかぐことや探索は、おやつだけの遊びではない
外出には、おやつをまかずに、ふだんの安全な匂いを調べる時間を入れられます。危険から距離を保てて、しっかりしたリードの範囲で止まれる道を選びます。正体の分からないもの、排せつ物、鋭いごみ、危険な植物には近づけません。人や動物のすべてに挨拶しなくても、その外出には価値があります。
室内では、小さな環境の変化で、調べるものを出せます。安全でよく知ったベッドを、別の心地よい場所へ移す。いつもは出さない部屋に、きれいなよく知ったおもちゃを持っていく。強い香り、精油、外から持ってきた正体の分からないものは入れないでください。新しさは必須ではありません。安定した環境を好む子もいます。不安な子には、突然の物より、予測できる静かな場所の方が役立つことがあります。
一緒にいる時間も、静かなエンリッチメントになる
一緒にいることは、いつも触ることではありません。本を読んでいるそばで横になる、静かな屋外の場所に座る、落ち着いた家の流れに加わる、を好む子もいます。離れられる場所で短く触れ、いったん止めます。もっと求めるならやさしく続け、顔をそらすか離れるなら、そこで終わります。じっとしていることを、もっと触ってほしいという頼みだと読まないでください。
よく知った人の近くにいることは、何かの技をしていなくても価値があります。だからといって、どの犬も来客、混んだ外出、犬同士の遊びの約束を望むわけではありません。社会的な機会は、その子のこれまでの様子と、今の心地よさから選びます。知らない犬とは距離を置きたい子に、にぎやかなグループで埋めなければならない欠落があるわけではありません。静かに一緒に過ごすだけでも、一つの活動として足ります。
暮らしに必要なことを、条件にしない
水、食事、心地よく休むこと、必要なトイレは、課題を終えたかどうかで決めてはいけません。おやつを使わない遊びは世話に足すものであり、おもちゃがごほうびになるまで食事を出さない方法ではありません。しつけの目標に、今その子が価値を感じない強化が必要なら、計画を変えます。空腹、のどの渇き、いら立ちを強くして埋めようとしないでください。
その子が自然に楽しむ活動を、負担の少ないしつけの計画の中でごほうびにしてよいですが、取り決めは明確で公平にします。たとえば、匂いをかぐ場所が好きな子なら、そこへ向かう途中で、短く簡単な「こちらを見る」を練習し、そのあと散歩を続けます。これは、ぴったり横について歩き続けない限り、匂いをかぐのをすべて拒むこととは違います。しつけが優先でないときも、ふだんの外出そのものに価値が残るようにします。

食事制限がある犬の例
動物病院から特定の食事を指示されている犬を想像してください。一緒に暮らす人は、認められた食事のあいだに少し変化がほしいけれど、認められていないおやつは足したくありません。合う計画には、よく知ったおもちゃ探し、休んでいるあいだ静かにそばにいること、その子がすでに楽しんでいる静かな匂いの道が入ります。おやつを使う練習は、動物病院の計画の範囲に残します。包みに自然と書いてあるからと、中身の違うものを試しません。
活動は、自分から関わったかと、心地よさで比べます。おもちゃ探しがいら立たせる一方で、ゆっくりした外出が楽しいなら、外出を残しておもちゃの遊びは簡単にします。元気や食欲が変わったら、やる気の問題として扱わず、動物病院に伝えてください。エンリッチメントの選択は世話の計画に合い、医療上の制限を守りにくくするものであってはいけません。
続けやすい一週間のメニューを作る
種類の違うものを少し選びます。やさしい遊びをひとつ、安全な探索をひとつ、静かに一緒にいる選択肢をひとつ。お気に入りは繰り返します。毎日違う遊びは要りません。1回ですべての種類をやる必要もありません。メモは、使いきれる短さにします。午後の散歩のあとはおもちゃを運ぶ。読書中は静かに一緒にいる。よく知った道では、匂いをかぐ時間を足す。
状況が変わったら、メニューを見直します。雨で道が滑る、来客で居間が忙しすぎる、体の痛い子には動物病院が認めた別の活動が必要、ということがあります。よいメニューには代わりがあり、休むことも妥当な結果として受け入れます。見るのは予定が埋まっているかではなく、その子のできる範囲に、価値のある選択があるかです。
家の人のあいだで、遊び方をそろえる
ほかの世話をする人と、同じ始め方と終わり方を決めます。ある人は静かに誘い、決まったおもちゃを出して、心地よいやりとりのあと片づけます。別の人は、動きのひとつひとつをコピーしなくても、その型に合わせられます。やさしく運ぶ遊びと、急におもちゃを取り上げようとすることを混ぜないでください。扱いが明確で予測できると、遊んでいるのか、やめたいのかが、みんなに分かります。ある人がいつもその遊びを扱いづらいなら、取り決めを見直します。
難しくなったとき
出すおもちゃを、どれも無視します。
タイミング、健康、場所、出し方を確認します。静かに出して、断ることも認めます。匂いをかぐこと、一緒にいること、休むことを好む子もいます。以前楽しんでいた活動に急に興味がなくなったら、ほかの変化と一緒に、動物病院で見てもらう価値があります。おもちゃ好きに変える必要はありません。
遊びがすぐに荒くなります。
興奮が上がる前に、遊びを短くし、動きを小さくします。場所に余裕を持ち、安全な床にして、予測できる休みを入れます。取っ組み合い、子どもを追いかけること、高いジャンプは避けます。遊びをやめられない、かむ危険がある、なら遊びを止めて、合う遊びの計画について資格のある人に相談します。
おもちゃを返してくれません。
取り上げたり、追い詰めたり、追いかけたりしないでください。持ったままでよい安全な物を使う遊びを選び、心地よい受け渡しは、必要なら資格のある人と別に練習します。守り行動には、安全の計画が要ります。終わり方が、物の取り合いになってはいけません。
よくある質問
なでることは、いつも役立つごほうびになりますか。
いいえ。触れられることが心地よいかは、犬、人、体の部位、タイミング、状況によります。短く出して、もっと求めるかを見るためにいったん止めます。体をそらす、力が入る、なら、ふだんは触れられるのが好きでも、止める理由になります。
室内の遊びで、散歩の代わりにできますか。
室内の遊びは、合う運動や探索を補えますが、トイレ、体を動かすこと、社会的な必要、環境の必要を、自動的に満たすわけではありません。天気、健康、年齢、その土地の条件が、計画に影響します。その子の運動制限は動物病院に確認し、安全なときは外の機会も用意します。
好きなのがおやつだけのときは、どうしますか。
食事の計画の範囲で、合うおやつを使った活動は残しつつ、ほかの小さな好みも観察します。落ち着ける場所、匂いをかぐこと、一緒にいることを楽しむのも、ボールを追うほど目立たなくても入ります。別のものに興味を向けさせようと、おやつのごほうびを取り上げないでください。
静かな活動も、入るとどう分かりますか。
目に見える興奮より、自分から参加しているか、心地よいかを見ます。そばにいることを選ぶ、自分のペースで調べる、好きな場所で落ち着く、なら、その子にとってプラスかもしれません。目的は毎日の経験がよくなることであり、毎回測れる成果を出すことではありません。
出典と参考資料
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